ボールペンの軸によく使われている材質といえば、プラスチックやアルミといった加工のしやすい素材。他にも木材を使っているもの、もう少し高級なものになってくると真鍮製のものもあります。
量販店で見かけるようなボールペンの9割以上は上に挙げたような材質で作られていると思いますが、2018年10月にステッドラーから斜め上を行くような材質で作られたボールペンが登場しました。
それがこちらの…
「コンクリート」です!
今回はステッドラー「コンクリート」のレビューを綴っていきますよ!
ステッドラー「コンクリート」のデザイン
本当にコンクリートだ!
開封して握ってみたときにまず思ったのが、
「本当にコンクリートだ!」ということ。
無機質な見た目に、独特の質感と肌触り。これはまさしくコンクリートです!
ゴツくて強靭さを感じる、これは男心がくすぐられるボールペン…!
コンクリートならではの粗さ
「コンクリート」の軸をじっくりと眺めてみますと、コンクリート製ならではの造りの粗さが感じられます。
新品なのに欠けているところがあったり、
軸の表面に出っ張りがあったり、
気泡痕がある等、材質ならではの味わいがあります。
型枠にコンクリートを流し込んで量産しているものと思われますが、それでもコンクリートの性質上一本一本が異なる模様になります。つまり今私が持っている「コンクリート」は世界に一本だけの模様なわけですから、優越感を味わえますな…!
軸が特殊な六角形
「コンクリート」の軸は六角形になっていますが、正六角形ではなくかなり特殊な六角形となっています。
上の写真だけでも短い辺や長い辺があるのが分かりますよね?
定規で寸法を測ってみましたが、たぶんこんな感じ。この寸法で六角形が成り立つかは計算していないので、正式な寸法は知らんぞい!!
ちなみに辺が7.5ミリの面にクリップが付いているのですが…
辺の長さが不揃いなので、クリップが真上に来ず傾いています。これはなかなかユニークなデザインですよね!
「コンクリート」の書きやすさ
デザインがめちゃくちゃ特殊ということを見てきましたが、今度は書きやすさを見ていきましょう!
特殊な六角形が握りやすい
先程特殊な六角形として紹介しましたが、指が軸の面にぴったり当たってかなり握りやすいです!
人間工学に基づき筆記時の疲労感を軽減する特殊な六角形の軸は、重量感を感じさせず、滑らかに筆記できるように設計されています。
引用元:新発売 ステッドラーコンクリート│ステッドラー日本【公式サイト】
ステッドラーの公式ページでも人間工学を基にした形状だと説明していますが、これは確かに握っていて疲れにくく書きやすいですね。重量は34グラムもありますが、握っていてそこまで重いとは感じません。
インクフローは良いが、口金の穴の直径とリフィルの直径が合っていない
そして肝心の書き味ですが、インクフローが良く滑らかな書き味です。掠れも少なくなかなか書きやすいですね。ペンの重量もしっかりとペン先に伝わって、軽い筆圧でもしっかりと書けます!
しかし書いていて気になったのが、口金の穴とペン先の直径が合っていないこと。
口金の穴の直径の方が広く、それに対してリフィルのペン先部分の直径が細すぎて、書いているとペン先がブレて口金に当たりカチカチ音が鳴ります。
造りの粗さが魅力のボールペンではありますが、「緻密にすべきところは緻密にしてほしかったなあ」と言うのが正直な感想です…。
ジェットストリームのリフィルの方がノンストレス
カチカチと音が鳴るのが気になるので、試してみたのがジェットストリームのリフィル。
ステッドラーの単色ボールペンのリフィルはいわゆる「パーカータイプ」と呼ばれる規格。三菱鉛筆のジェットストリームにも同規格のリフィルが存在します。同規格なので互換性があるのです。
ただ、同規格と言っても各メーカーごとに若干の誤差がありますので、「ジェットストリームのリフィルでぴったり嵌らないかな?」と思って試してみました。
そしたらなんとペン先でカチカチ鳴らなくなりました…!
まさかと思いましたが、「コンクリート」の口金の穴は、ジェットストリームのペン先の直径とちょうどいいサイズのようです!
いや…サイズがぴったりなのは嬉しいことなのですが、メーカー純正のリフィルよりも他メーカーのリフィルのほうが合っているというのは如何なものかと…。
ただ、書く度に振動でペン尻側のノック部分もカチカチと鳴るので、全く音が鳴らなくなるというのは難しそうです。それでも書く際のストレスを軽減するならジェットストリームのリフィルと組み合わせるのが良いですね!
「粗さ」が最大の魅力であり、欠点でもある
コンクリートならではの粗さが最大のウリ
ステッドラーの「コンクリート」を使ってみましたが、
造りの粗さがやっぱり最大の魅力ですね!
コンクリートならではの模様や欠け、気泡痕が男心をくすぐってきます。また一本一本が「世界に一つだけのボールペン」になりますので、持っているだけで優越感に浸れますよ!
精密に作ってほしいところまで粗さを感じるのが気になる
粗さが最大のウリではありますが、一方で緻密に作ってほしいところまで粗さを感じたのが気になりますね…。
口金の穴の直径と、リフィルのペン先の直径が合っていないのは結構残念でした。ペン尻のノック部分も振動でカチカチなりますし、緻密にしてほしいところでも粗さが目立ったのはマイナスポイントです。
とりあえずステッドラーは自社のリフィルのペン先をもう少し太くしたほうがよいのでは…?
「コンクリート」はジェットストリームのリフィルと組み合わせて使おう!
ただリフィルについてはカスタマイズの余地があります。
ジェットストリームのリフィルを使えば、ペン先でカチカチ鳴るのは回避できます。書き味もステッドラー純正のリフィルよりも滑らかです。
「コンクリート」を使う際はジェットストリームのリフィルと組み合わせて使うのがベストですね!